Produced by Improbic.inc 敗者復活力-出版記念特別対談
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第1回

キャデラックから3人の男が降りてきた

加井 それでは、廣田さんと平先生の出会いを伺っていきます。
当時のお話をまずは平先生から聞かせてください。
まず、一番最初はやくざが来たと思いました。日本に1台か2台しかないようなキャデラックから、3人の弟子と一緒に降りてきて、会社も終わったと思いました。(笑)
加井 そんなに強烈だったんですか。
そう。でも、物腰はすごく丁寧で、あいさつや対応もきちんとしていたので、こいつしっかりしているなと思って。それで、また聞きたいことがあれば、来ていいよって言いました。元旦の日に住宅の説明会をしていたときにもキャデラックできましたよね?(笑)
廣田 ほとんど嫌がらせですね(笑)
私もそうだけど、廣田さんは結構、見た目やイメージで損をしてるかもしれないね。(笑)
でも、最初はやる気が本当にあるのか分からなかったから、「聴きたいことがあればまた来てください」と軽く流していただけど、よく勉強してたよね。
加井 平先生は廣田さんにどんなことを教えていかれたのですか?
いや、私が教えたという気はほとんどしないですね。
聞かれたことには全部答えるけど、私が一言アドバイスすると廣田さんが自分で吸収していくという感じでしたね。
加井 廣田さんは、平先生から最初に何を学ばれたんですか。
廣田 具体的には、やはり集客ですね。
当時、私たちに決定的に欠けていた力なので。
加井 なるほど、まずは集客から始められたんですね。
廣田 そうです。もともと下請け工務店だったので工事はできる。でも、集客のスキルが全くありませんでした。土下座してでも買ってもらえばいいと思っていたのですが、お客さんがいないとどうしようもない。だから、そこを教えてもらいました。
加井 平先生は、あまり教えなかったとおっしゃっているんですけど、廣田さんから見て、そこのところはどうでしたか?
廣田 すごい丁寧に、手取り足とり教えてもらったという感じです。
私は隠しごとが嫌なので、聞かれれば一応全部教えますけどね。なかなか言った通りにできる人ばかりではないのですが、やっぱりそこのところは廣田さんの頑張りと能力だと思いますね。
廣田 あの当時は結果を出さないと冗談抜きで夜逃げですから、モチベーションがどうのこうの以前に必死でしたね。食うものが無かったら、草の根をかじってでも生きていかないといけないという心境でした。
加井 意気込みが違いますね。
廣田 そう、それと、あとはこの人に認めてもらいたい、褒めて欲しいという気持ちです。
廣田さんが俺から一番学んだという点は何だと思いますか?
大したことを教えられてないかもしれませんけど。(笑)
廣田 漠然とした言葉なんですけど、チャレンジ・行動と言った“生きる意味”だと思います。あと、先生は強いですよ。世間から見ると、先生の方がやわらかそうで、僕の方が強面っぽいイメージなんですけど、実際は逆で、先生めちゃめちゃ男ですよ。そこが一番だと思います。
で、私から聞いて一番にやった事は何ですか?
廣田 集客ですね。
集客を具体的に言うと?
廣田 小冊子です。
平・加井 なるほど
廣田 僕、もともと商品チラシを自分で作っていまして、それが3カ月経ったごろから反応が落ちてたところでした。これではまずいというところで、先生に小冊子を教えて頂いて、6か月はチラシを打たずに、小冊子広告だけでものすごく集めました。10万円の広告で何組でも来て下さる。1年間は独走状態で、先行者利益をたっぷりともらいました。
じゃあ、その次は何をやったの?
廣田 その次はチラシですね。ずっとチラシを打っていなかったのですが、やっぱり先生風のチラシを打ってみたいと。ゆとりも少しできて、ほんならやってみたろかというもんで、これも大爆発しました。ほんと、凄い数字でした。
廣田さんのところの集客は、今でも凄い数字ですよ。
うちの会社に落ち込んでいる社員がいたので、ちょっと廣田さんのところにいかせてもらったら、帰ってきたときには自分の悪いところがすべて分かりましたって。明るくて、元気が良くて、上の者が下の者に教えるシステムも出来上がっていると。
加井 なるほど。もう少し詳しく言うと、どういうことですか。
家庭で父親が子供を育てられないということがよくあるでしょ。
加井 はい。
廣田さんの会社は、家族的な感じでしかも父親がものすごいんですよ。つまり、社長と先輩がすごくて、徹底的に子供を鍛えていく。子供が良いことをしようが悪いことをしようが、成長するまで必ず引っ張りあげる、ここがすごいところ。
加井 ちなみに平先生はどんな指導をされていますか。
おれのやり方はぜんぜん違ってて、とにかく背中を見て頂戴って。そう言うんだけど、やっぱりそれではダメで、結果が出ているのは明らかに廣田さんの方なんですよ。とにかく引っ張っていけば、非行する子供には育たないですよね。その辺はどんな感覚ですか。
廣田 道場の感覚ですかね。道場だと、師範や先輩が教えますよね。僕が小さなころから育った環境的にも、その方がしっくりくるという面もあります。それで僕も含めてうちの社長連中は、絶対に自分の子供には会社を継がさないというルールがあります。
加井 というと、それはどうしてですか。
廣田 なんでかっていうと、子供は肉体的な遺伝子は受け継いでいるかもしれない。でも、考え方やビジネスの遺伝子は、社員が持っているじゃないですか。なので、社員も家族なんだという意識があります。
加井 ということは、当然新しい人を採用するときもそういう観点から考えられるのですか。
廣田 まさにそうです。採用するとき、まず一番にこいつに会社をやれるかどうか考えます。能力やとかは、その次。かわいい、こいつやったらお小遣いあげてもええやん、そういう感覚が持てないと、いずれ今まで築き上げてきた財産をあげるときに惜しくなります。
加井 なるほど。
廣田 やから、うちの社員同士の関係はべったべたなんですよ。
もちろん、ホモじゃないですよ(笑)。でも、暑苦しい、非常に古い時代の考え方です。
じゃあ、廣田さんから見て、うちの会社とかはどんなふうに見えるのかな。
廣田 エキスパート集団という感じですね。
個人個人がエキスパートでなければ、居づらくなるのかなという気はします。うちはその真逆でどっちかと言うと、暑苦しい系なので(笑)
なるほど。じゃあ、ダメな社員を辞めさせるとか、そういったことはない?
廣田 あ~、僕はクビを切ったことはないですね。おまけに割と辞めてないですね、うちの連中は。半年続いてそのあと辞めたやつは、ほんとにいないですね。
なるほどね
廣田 もちろん、リーダーによりけりなんですけど、やっぱり優秀な奴らの子は辞めないですよね。ほんで僕らの感覚では、自分がトレーナーで社員が選手なんですよ。やつらが残る残らないは、自分たちの勝ち負け。そんな意識ですね。